障害手当金とは何か?

障害手当金の制度説明

障害年金とはその名の通り、「年金」という形で年間を通じて支給されます。

しかし、障害の程度によっては「一時金」という形で一括で支払うシステムも設けられています。

今回は厚生年金の要件の一つ障害手当金についてすべて説明したいと思います。

障害手当金の障害等級の扱い

先程も書きましたとおり、障害手当金は厚生年金の一部であり、国民年金ではなりません。

厚生年金 国民年金

障害厚生年金1級

障害基礎年金1級

障害厚生年金2級

障害基礎年金2級

障害厚生年金3級

無し

障害手当金

無し

厚生年金とは主にサラリーマンなどの法人の事業所などで働いている人が加入している年金です。

サラリーマンなど、働いている期間に初めて医師の診断を受けて病気が発覚した、あるいは職場の健康診断で指摘されたなどの場合に厚生年金の障害手当金が該当します。

障害手当金がもらえる人

障害手当金がもらえる人は初診日から5年以内に障害が治った、症状が固定した場合に、治った日から5年以内に請求した場合に支給されます。

しかし、以下の人は支給されません。

  • 厚生年金、国民年金、共済年金の年金の受給権のある人
  • 同一の傷病で業務上の災害であり、労災などの障害を理由として給付を受けている人

ただし、受給権のある人が障害等級の3級に当たらなくなってから3年以上経った場合に、別傷病で障害手当金に当たる状態になれば障害手当金は支給されます。

支給要件

障害手当金の支給要件である保険料をちゃんと支払っていたのかの計算に関してはその他の障害厚生年金等と同じです。

平成28年の4月1日までは初めて医師の診断をうけた日の属する月の前前月までに1年間保険料を滞納した期間がない場合、あるいは保険料を治める期間のすべての期間の3分の2以上を納付していれば納付要件を満たします。

障害手当金はいくらもらえるのか?

障害手当金は一時金として以下の額支払われます。

(報酬比例の年金額×2)

最低保証額として上記計算が1,150,200円にみたない時は1,150,200円です。

わかりやすく言うなら、ざっくりと計算して年収600万の人が10年間働くと報酬比例の年金額が約32万円です。

その2倍は64万円なので最低保証額115万円がもらえることになります。

障害手当金を受けられる障害の状態

最後に厚生年金施行令別表第2に明示されている障害手当金を受けられる障害の状態をリスト形式で掲載しておきたいと思う。

ご自身の傷病の現在の状況と以下の障害の程度が同じであれば障害手当金が受けられる可能性が高いと考えてよいです。

  • 両眼の視力が0. 6以下に減じたもの
  • 一眼の視力が0. 1以下に減じたもの
  • 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  • 両眼による視野が二分の一以上欠損したもの又は両眼の視野が10度以内のもの
  • 両眼の調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの
  • 一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの
  • そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの 脊柱の機能に障害を残すもの
  • 一上肢の三大関節のうち、一関節に著しい機能障害を 残すもの
  • 一下肢の三大関節のうち、一関節に著しい機能障害を 残すもの
  • 一下肢を3センチメートル短縮したもの長管状骨に著しい転位変形を残すもの
  • 一上肢の二指以上を失ったもの
  • 一上肢のひとさし指を失ったもの
  • 一上肢の三指以上の用を廃したもの
  • ひとさし指を併せ一上肢の二指の用を廃したもの
  • 一上肢のおや指の用を廃したもの
  • 一下肢の第一趾又は他の四趾以上を失ったもの
  • 一下肢の五趾の用を廃したもの
  • 前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が制 限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
  • 精神又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

障害手当金を受け取る際の注意点

障害手当金は一時金です。

障害年金3級までは年金として受給することが可能です。

障害手当金は障害が治った場合に支給されますが、完全に治ったといえる状況でないのならば年金として受給するほうが有利となります。

障害認定日である1年6ヶ月まで待って障害の状態が治っていないと認められる場合、障害等級3級として認められる可能性があります。

ただし、障害手当金を一旦受給してから障害の程度が悪化した場合などは必ずしも障害年金の支給がされないというわけでもありません。

同じ傷病が悪化することによって障害年金相当の障害の程度になった場合は最低を請求し直す手続きが必要となり、障害手当金を返還する必要が生じます。

また、障害手当金とは別の傷病となり、その傷病と併合した場合にも障害年金は支給されます。

その場合は障害手当金の返還は必要とはされません。

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