一度不支給となった申請をもう一度申請し直すことはできるでしょうか?
結論から書きますと、
YES,もう一度申請できます。
一度不支給になっても再度申請することができます。
でも、ちょっと待って。
一度不支給になったということはやはり何らかの理由があります。
そして再度申請するにはいくつかのハードルがあります。
そのハードルを超えるにはやはり障害年金の専門家である社会保険労務士に相談するのが一番確実だと思います。
再度請求する審査請求について
再度請求する方法の一つに、審査請求という方法があります。
審査請求は日本年金機構が行った決定に対して不服があるものが社会保険審査官に対して不服申立てをする制度です。
不支給となった理由が知りたいとき
なぜ自分が不支給となったのか理由が知りたいのであるなら、不支給となった理由に関しては請求した年金事務所に尋ねれば答えてくれます。
その理由などに不服がある場合審査請求をします。
この審査請求は一度不支給となったので、その理由を一つ一つクリアしていくようにしていかないとなりません。
社会保険審査官というその処分が適切であったのかどうかを判断する専門の審査官に再度見なおしてもらうことになるからです。
審査はすべて書面となります。
そのために新たな証拠や資料をそろえたりしなければなりません。
また審査請求はいつでもできるというわけではありません。
審査請求には期限があります。
審査請求の期限
審査請求の期限は決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内です。
請求の決定を受け取った時から約2ヶ月の間に不支給となった理由を調べて、もう一度診断書や病歴申立書などの検討をし直す必要ができてきます。
また審査請求をしたからといって万事解決というわけでもありません。
審査請求しても却下や棄却などの判断をされることも有ります。
審査請求で支給される可能性
審査請求をして不支給の処分が間違いであったと認められる可能性はどれくらいでしょうか。
厚生労働省のホームページで年度別社会保険審査会の裁決件数の推移が発表されています。
参考記事:社会保険審査会年度別審査請求受付裁決件数
こちらの最新のデータである平成26年度を見てみますと約10%となっています。
不支給の決定を受けて不服を感じて審査請求をした人のうち10人に1人くらいが支給を認められるという結果になっています。
10%という結果は、やはり一度決定したものをくつがえすのは難しいものがあることを意味しています。
そのような状況からか、不支給決定をうけたので審査請求を専門家に頼みたいという方からのお問い合わせがふえております。
当事務所では審査請求をご希望の方からの相談を受け付けております、お気軽にお問い合せください。
容認件数が増えている背景
また上のデータからいくつか分析できる最近の傾向が有ります。
ひとつは10年前に比べて審査請求する人の数がかなり増えたということです。
審査請求する人の数が10倍に増えています。これは障害年金という制度と社会保障のあり方が周知されたことによるものと思われます。
また数年前と比べてみても容認される率も増えていることがうかがえます。
これは最近問題となっている支給決定に対する地域格差が問題視されていることが要因の一つではないかと言われています。
障害年金の支給決定は各都道府県で地域格差があると言われています。
その格差に不公平感があるため公平性を確保するための処置ではないかとも言われています。
ところで、審査請求だけが再度請求する方法とは限りません。
いくつか条件が考えられるので条件を付け加えながら、不支給となった申請をもういちど申請することについて考えてみましょう。
不支給と判断されたあとに病状が悪化したとき
不支給と決定があった時に、不支給の決定をそのまま受け入れてたけれど、病状が悪化して、どう考えても障害年金が必要だぞ、というような時があると思います。
このように緊急を要する場合は、再度請求することが可能です。
不服申立ての期限は当然切れていると思いますので審査請求はできません。
このような場合、事後重症や額改定請求と呼ばれる請求となります。
以前は一度請求をした、あるいは額の改定の審査をうけた日からも1年以内だったら額改定請求はできませんでした。
しかし、額の改定請求に法律の改正が有り、”当該”障害基礎年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き”という一文が加えられました。
つまり、病状が悪化したということが明らかであればいつでも申請することが可能となったのです。
自分は障害等級に該当しているのに不支給を決定された場合は、最初の請求に問題があったことが考えられます。
一度わたしたち障害年金の専門家である社会保険労務士に相談していただけたらと思います。