地域差とは何か

地域差あるいは地域格差という言葉を聞いたことがあると思います。

これは障害基礎年金の支給決定する基準が都道府県ごとに違うのではないかという問題です。

なぜこのようなことが起こるのかといいますと、障害基礎年金の請求があった場合の審査決定しているのは日本年金機構の都道府県ごとの事務センターが実施しています。

そのため、都道府県ごとに不支給となる確率が公平ではないと見られているからです。

実際厚生労働省の調査でもそのことが報告されています。

参考資料厚生労働省障害基礎年金の障害認定の地域差に関する調査

愛知県障害基礎年金不支給割合

以下は愛知県の平成22年度から24年度までの不支給割合と全国平均の比較です。

決定件数 不支給件数 不支給割合
愛知県 4906 631 12.9%
全国平均 99021 12339 12.5%

調査結果だけから判断しますと愛知県の障害基礎年金不支給割合は12.9%となり、全国平均である12.5%からみて、「ほぼ平均的だがやや高い」と判断できると思います。

しかし、障害種別ごとの被害等割合を見てみましょう。

愛知県精神障害・知的障害の等級非該当割合

決定件数 等級非該当 非該当割合
愛知県 108 20 18.5%
全国平均 4013 484 12.1%

上は同じく平成24年度の愛知県精神障害と知的障害に限った等級非該当割合です。

愛知県の等級非該当が18.5%なのに対して全国平均が12.1%となっています。

愛知県は精神障害と知的障害の認定率は低いと判断でき、地域差があるものと思われます。

障害基礎年金の障害認定の地域差に関する調査

障害基礎年金の障害認定の地域差に関する調査では、発生原因を明らかにするために実施されました。

調査項目としては被害等の割合に差異があるのか、診断書で比べて認定結果に差異があるか、初診日の判定に差異があるか、近年厳しくなっていないかなどの項目がもうけられています。

調査結果から考えられる私たちの対応について

実際に精神障害と知的障害に関しては愛知県では全国平均と6%以上の開きがあることが確認できています。

事務処理上の問題で都道府県の事務センターが審査決定を実施することは間違いでないとして、全国平均と開きがあることは問題が有ります。

このようなことがないように、たとえ不支給決定があったとしても諦めずに再審査請求などで主張し続けることが大切であるという結果となったのではないでしょうか。

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