年金といえばあまり関係ないと思う人が多くみえるようです。
たしかに、障害年金に携わるわたしでも、年金は保険料を支払うだけで、受給など老齢になるまでないだろうな、などと思っていたりもします。
世間では、年金問題がたびたびマスコミなどに話題にされます。
その中で多くの人は年金は老後にもらう老後のための年金制度と思いがちです。
しかし、国の公的年金は老齢になったときに受給できるものだけではありません。
被保険者である人が亡くなったときに支払われる遺族年金や、障害や疾病にかかった場合に受け取れる障害年金も私たちの社会保障としての公的年金です。
障害年金の大切な仕組み
残念なことではありますが、障害年金はまだまだ社会的に周知されているとは言えません。
障害年金の存在を知らない人、障害年金の制度が複雑なために、自分は受給できないと思い込んでいる人も多くいるのが現状です。
そして、一番知っていてほしいことがあります。
それは障害年金は自分から請求しなければ受給できないということです。
年金の保険料の支払いは国民の義務ですが、受給権があれば国が一方的に支払ってくれるものでもないのです。
障害になったときにもらえる障害年金という制度自体を知らないということはそれだけ大きな損失を被っていると言えるでしょう。
病気やケガはいつ自分に降りかかるかわかりません。
いざ、障害を負ったときに自分になんの保障もなければその後の将来に不安を抱くのも無理はありません。
公的に支えてくれる障害年金はそのような私たちの不安を取り除き、住みやすい暮らしを社会生活を保障してくるものです。
自分が障害年金がもらえるのかどうか、自分でチェックするために障害年金のもらえるポイントをまとめました。もらえるかどうか確認したい方は以下の記事を参考にしてください。
障害年金をもらえるか?調べ方から確認の仕方まで|愛知名古屋の障害年金申請あんしん代行
障害年金によって豊かになる私たちの暮らし
障害年金は事故などによるケガだけが対象ではありません。
糖尿病や癌、精神疾患、最近多いメンタルヘルス不調によるうつ病などにも適用します。
ほぼ全ての病気やケガに対応できるのが国の公的年金である障害年金の強みであるのです。
このように私たちの暮らしを障害年金はしっかりと支えてくれます。
障害年金はその制度の複雑さや請求の難しさなどから諦めているひとも少なからずみえます。
しかし、障害年金を請求する専門家である社会保険労務士とともに、受給できるように取り組んでみてはいかがでしょう。
きっと将来の不安が解消されるのではないでしょうか。
障害年金とは
障害年金とは20歳以降に日本に在住するひとがかける国民年金から成り立つ障害基礎年金と、働いているひとが加入する障害厚生年金から成り立っています。
基本的に20歳以上の方なら、病気になったりケガをして生活に制限をうけたり、働くことができなくなった場合、誰でも受給することが可能な社会保障です。
基本的に20歳以上の方なら誰でも受給できますが、いくつか条件があります。その条件を説明します。
障害年金が貰える条件
障害年金が受給できる条件の一つには保険料をしっかりと支払っていたかどうかが問われます。
保険料の支払いは法律で定められていて義務です。この義務を果たしていなければ障害基礎年金も障害厚生年金も受給が難しくなります。
しかし、一度でも支払っていないとダメかというとそうではありません。基本的に3分の2以上の支払いがあれば障害年金の受給が可能となる3分の2の条件や、直近1年間に未納がなければ大丈夫な直近1年間の条件があります。
保険料支払いに関して、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
参考記事:障害年金受給のための保険納付要件とその期間|障害年金あんしん代行
ご自身が保険料を支払っているかどうかは年金事務所などで調べることが可能です。年金手帳や身分証を持ってお近くの年金事務所で聞いてみると良いでしょう。
障害年金の年金額はいくらもらえるのか
障害年金の年金額は国民年金である障害基礎年金と厚生年金である障害厚生年金とで額が違ってきます。
また、障害の状態の重さなどで等級が定められるため、等級でも障害年金の額は違ってきます。
障害基礎年金が受給できるのか障害厚生年金が受給できるのかははじめて医師または歯科医師の診療をうけたときの初診日が問題となります。
厚生年金に加入している事業所で働いている時に初めて医師または歯科医師の診療をうけた場合は、障害厚生年金から受給することにあります。
働いていた人は、国民年金の障害基礎年金と2階建てである障害厚生年金から保護を受ける形となります。
自営業者であったり学生であったり、あるいは主婦であったりした場合は、障害基礎年金から受給することになります。
障害基礎年金で障害の状態が障害等級2級であったとするならばおおよそ年間80万円近い金額を受給できます。月額にするとおおよそ6万から7万円となります。(変動があります。)
働いていたひとがかかる障害厚生年金ですと、働いていた人の年収や、働いていた期間などが考慮され複雑な計算式により額が決定します。
障害年金の受給金額に関してもっと詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
参考記事:障害基礎年金と障害厚生年金はいくらもらえるのか|障害年金あんしん代行
障害の状態について
障害年金が受給できる条件の一つとして病気やケガが障害の状態にあるかどうかが問われることになります。
障害の状態とは、病気の症状やケガの大きさによっても変わってきますので、それぞれの病名ごとに細かく分類されています。
しかし、おおよそではありますが目安はあります。それは障害等級1級はほぼ寝たきりの状態に近いこと、入院しているか家庭でもそれに近い状態で自力では生活できないような状態が該当します。
また、障害等級2級は生活にかなりの制限を受ける状態を言います。
障害認定基準に更に詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
障害認定基準:どれくらい障害があると障害年金がもらえるか障害認定基準について|障害年金あんしん代行
障害年金を請求できる時期
では、障害年金は保険料を納めていて、病気になって、障害の状態に該当したらすぐにもらえるのかと言ったらそうではありません。
障害年金が受給できるには請求しなければならないと同時に、請求には一定の期間が必要になります。
一定の期間とは人工透析や脳こうそくなどで違いがありますが基本的に1年6ヶ月です。
初めて医師や歯科医師の診療を受けて1年6ヶ月経った時が障害認定日と呼ばれます。その障害認定日に上で書いた障害の状態に該当している場合に医師の診断書を持って、障害年金の請求を行うことが可能となります。
障害の状態に該当しなかったとき
初めて医師等の診療を受けて1年6ヶ月の障害認定日を迎えた時に障害の状態出なかったため障害年金を請求しなかったけれども、その後状態が悪化したら障害年金は請求できないものでしょうか?
それは問題ありません。障害年金は請求できます。
初めて医師等の診療を受けて障害認定日に障害の状態に該当しなくても、その後障害の状態が悪化した場合に請求する障害年金を「事後重症による請求」と呼ばれます。
事後重症の障害年金は請求日の翌月から受給が可能となります。
初診日とは
また、さきほどから何度も言及しています、「初めて医師または歯科医師の診療をうけたときから1年6ヶ月」という文言ですが、これを障害年金の用語で「初診日」と呼びます。
この初診日というのが用語の解説としては障害の原因となった病気やケガにつてい初めて診療をうけた日となっておりますが、1年半以上前のときどこの病院で受けていたのかなどわからないというひとが多いのが現状です。
また、統合失調症や発達障害、あるいは糖尿病といった病気などは長期にわたって通院しているために、初めての診療をうけた日がいつだったのか正確にわからないひとが少なくありません。そのような場合は社会保険労務士の出番と言えます。
初診日に関して詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
初診日とは:障害年金請求で初めて医師または歯科医師の診療をうけた日|障害年金あんしん代行
障害年金の手続きと提出先である機関について
障害年金を受け取るためにはまず最初に請求手続きが必要となります。
国民年金である障害基礎年金の請求は年金事務所か、いま住んでいる市町村役場で請求が可能です。厚生年金である障害厚生年金の請求は年金事務所で請求します。
それぞれ、裁定請求書と診断書、戸籍謄本、住民票などの添付書類をまとめて提出します。
提出先は日本年金機構の年金事務所となります。
愛知県なら以下の年金事務所が管轄となります。
障害年金と社会保険労務士の役割
なぜ障害年金を請求するのに社会保険労務士を必要とされるのでしょうか。
それはこちらの記事「社会保険労務士に障害年金申請を依頼するメリット」で詳しく書きましたが社会保険労務士は、国民年金と厚生年金の手続きを業務として請け負える唯一の年金の資格であり、年金請求のプロフェッショナルだからです。
障害年金は障害年金を請求するための手続きの複雑さだけではなく、年金という制度の歴史が深く、しかも時代の要請とともに法改正でもって変更を余儀なくされてきた制度です。
そのため、既得権と制度の変更が複雑に絡み合い、請求に関してもその影響が色濃くあらわれていることが多くあります。
病気やケガで本人がつらい状況にありながら、あるいはご家族が普段から生活に負担を強いられている状況でその年金手続きを実施するのは手間がかかります。
そのわずらわしさからあきらめてしまう人、あるいはどうせもらえないのだからと勝手に判断したり、中途半端な請求で不支給となってしまう人なも少なくありません。
そのようなことがないように私たち、社会保険労務士が必ず障害年金を受給できるようにサポートすることが大切になってきます。
わたしたちの社会保障である障害年金が病気やケガで生活に制限をうけて困難を強いられているひとりひとりのためにしっかりと受け取れるようにぜひ一度わたしたちにご相談下さい。
あなたのためのベストパートナーでありたい、社会保険労務士の願いです。