障害年金をもらいながら新たに障害になった。
そのような時に、また新しく障害年金をもらったり他の年金制度から障害の給付を受けたりすることはできるのでしょうか。
現在もらっている年金と合わせて新しい年金をもらうことを併給といいます。
ここでは障害年金の併給の問題について説明いたします。
ひとえに併給と言っても、色んな種類の併給があります。
以下にリストとしてあげます。
- 新たな障害により障害年金が得られる場合
- 労働基準法第77条の障害補償が行われる場合
- 児童扶養手当が受けられる場合
- 障害厚生年金の併給の調整
- 20歳前の傷病による障害基礎年金と公的年金の制限
- 労働者災害補償保険の障害補償との支給調整
- 健康保険の傷病手当金との支給調整
では一つ一つを具体的に見て行きましょう。
新たな障害により障害年金が得られる場合
国民年金では原則として2つの年金の受給が可能になった場合は受給権者がどちらの年金をもらうのか自分で選ぶことになっています。
しかし、違う理由で2つの障害が生じたとします。
その時、2つの障害を合わせたら1級程度の障害状態であったとします。
そのようなとき、2つの2級の年金から1つを選択するともらえる年金額が少なくなってしまいます。
そのようなことがないように後から障害年金の受給が可能になる時の障害認定日に最初の障害年金の状態を重ねて請求することが可能になります。
これは「併合認定」と呼ばれます。
ちなみに新しい障害の状態として認定されるため、それまでの障害障害年金の権利は消滅することになります。
労働基準法第77条の障害補償が受けられる場合
業務上の傷病に起因する障害について労働基準法第77条の障害補償が行われる場合は障害基礎年金は6年間支給停止されます。
では、6年間の支給停止期間中に新たに障害になった場合はどうなるでしょうか。
その場合、新たな障害基礎年金は支給されます。
しかし、上で書いたように併合認定として1級の障害状態であったとしても支給停止の障害基礎年金と併合されることはなく、後から受給する障害年金の支給のみとなります。
児童扶養手当が受けられる場合
障害基礎年金を受給して年金額にお子さんの分の加算がされている時に児童扶養手当も同時に受けることはできません。
原則として、障害基礎年金でお子さんの分の加算額と、児童扶養手当でもらえる額のうち、多い方を受け取ることができます。
対象となる子どもは障害の状態になる前の子だけでなく、受給権をうけた後にもうけたお子さんでも加算されます。
障害厚生年金との併給調整
障害厚生年金による併給調整は基本的に上で述べたように障害基礎年金の併給の調整と変わりありません。
障害厚生年金が受給できる状態であらたに障害の状態になった時に、どちらか一方の障害厚生年金を選ぶことになります。
しかし、障害の状態が2つを合わせて1級程度あるいは等級が変わるような場合は合わせた状態で障害厚生年金の受給が可能となります。
また、労働基準法第77条での支給停止期間に新たな障害厚生年金の受給があった場合も障害基礎年金と同じです。
労働基準法で支給停止されている場合は、その分の障害厚生年金は支給停止となりますが、新たな障害による障害厚生年金は支給されます。
ただし、併合された障害状態での等級とは判断されません。
20歳前の障害基礎年金と公的年金と併合制限
20歳前の傷病による障害基礎年金は保険料を支払っていない期間の病気によって障害年金がもらえます。
ですから、障害基礎年金が支給停止される理由も幅広く認められています。
例えば以下の法律による給付が受けられる場合は支給が止められます。
- 恩給法による年金給付。
- 地方公務員の退職年金に関する条例
- 労働者災害補償保険法による給付
- 刑事施設や労役場などに拘禁されている時等
その他にも細かく法律で制限されています。
また、受給権者本人の前年の所得が一定額を超えると支給停止となります。
本人が日本国内に住所を有していない場合なども支給停止となります。
健康保険の傷病手当金との支給調整
傷病手当金とは主に働いている人が仕事以外の理由で病気になって仕事ができなくなった時に支払われる一時金です。
傷病手当金について詳しくは以前の記事を参考にしてください。
参考記事:傷病手当金とはなにか有効な利用方法|愛知名古屋の障害年金申請あんしん代行
障害厚生年金を受給している期間は傷病手当金は支給調整となり不支給となります。
ただし、障害厚生年金の年金額を360で割った金額が傷病手当金の1日の額より低い場合はその差額が支給されます。