初診日と受診状況等証明書

どうしても初診日がわからない時の対処法と第三者証明の方法

障害年金の請求を考えている人で初診日がわからないことで困っている人は多いと思います。

障害年金の請求が一番難しいのもこの初診日の特定や初診日に診断した医師がいない、病院がない、カルテがない、と言った問題です。

今回はその問題を解決するための2つのキーワード、「受診状況等証明書」「第三者証明」についてこれを読めばすべてわかるように説明します。

特に第三者証明は平成27年10月より省令が改正され「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取り扱いについて」により厚生労働省年金局事業管理課長により通知されています。

詳しく初診日が特定できない時の第三者の証言は有効か?で解説します。

受診状況等証明書とは

障害年金を申請する場合、初診日を特定する必要があります。

今現在かかっている病院がはじめての診断をうけた病院であるのならば問題はありません。

今の病院の先生に初診日を記入してもらえばよいです。

たとえば、脳梗塞で倒れた等の場合、以前健康診断などで高血圧を指摘されていても相当因果関係があると認められませんから、診断をうけた病院とみてもいいことになります。

その他、交通事故など初診日がわかりやすい場合は問題がありません。

しかし、他の病院で紹介された等、はじめて診断をうけた病院と、現在かかっている病院が違っている場合が問題です。

その場合、受診状況等証明書によって最初に診断をうけた病院で初診日を証明してもらわなければなりません。

受診状況等証明書が取れない場合

ところがここで困ったことが起こります。

初めてうけた病院が、廃院になったとか、あるいは、カルテがもうない(5年以上前なので)などの形で受診状況等証明書が取れない場合があります。

そのような場合、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成してもらいます。

この申立書は名前の通り受信状況証明書が廃院やカルテ保存期間を過ぎているなどの証明の後に次に転院した病院で受診状況等証明書を作成してもらいます。

そして、最終的にカルテが存在する中で一番古い病院で受診状況等証明書を書いてもらいます。(それが現在かかりつけの医師である場合は必要ないですが。)

ここで受診状況等証明書が添付できない申立書を作成してもらえば障害年金を審査する審査官は初診日がわからないことを受け入れてくれるものでしょうか?

残念ながらそんな簡単な問題でしたら、障害年金の請求も複雑になることはありません。

では、病院にカルテもなければ証明もない、そのような場合、どうしたら初診日を特定することができるのか。

最近では電子化が進んでいるのでカルテを倉庫で保存する必要もないのですが、こと昔の話ではそうは行きません。

そのためにも、初診日を想定できる客観的証拠が必要となります。

この客観的証拠に関してですが、これは請求人本人の置かれている状況や病名などにより変わってくることも多くこれがあればだいじょうぶという断言しにくい現状もあります。

一般的に以下のものがあると認定されやすいです。

障害年金相談

初診日推定の客観的資料の可能性のあるもの

  • 領収書
  • 薬の入っていた袋
  • レントゲン写真
  • 身体障害者(精神保健福祉)手帳
  • 身体障害者(精神保健福祉)手帳申請時の診断書
  • 生命保険診断書
  • 自賠責保険診断書
  • 初診の日付と受診科のわかる診察券・・・精神障害の場合
  • 救急搬送記録
  • 交通事故証明書
  • 労災の証明書
  • 医師による診療情報提供書(紹介状)
  • 会社などの健康診断記録
  • インフォームド・コンセントによる医療情報サマリー
  • カルテの治療歴記載部分
  • 薬の説明書

レセプト(診療報酬明細書)の開示による証明

カルテがない場合の対応策として診療報酬明細書の開示による証明も有効です。

初診日に該当する時期に加入していた協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険なら市町村へレセプト(診療報酬明細書)を開示請求することによって病院名や通院した日を確定することが可能となります。

レセプトの開示の請求先

全国健康保険協会の支部に開示請求します。

お住まいの全国健康保険協会支部のホームページはこちらです。

レセプトの開示請求の有効期間

レセプトの開示請求の有効期間は健康保険組合では5年となります。

5年よりも前のものは保存されていない可能性が高いと思われます。

念の為に自治体などに問い合わせてみることがよいでしょう。

診療報酬明細書開示請求できる方

  • 開示請求されるご本人
  • 開示請求される本人の法定代理人・任意代理

レセプト開示請求の必要書類

必要書類は以下のとおりです。

  • 診療報酬明細書党開示請求書
  • 本人が確認できるもの(健康保険証、運転免許証、パスポート国民年金厚生年金保険年金証書等)
  • 法定・任意代理人本人でああることが確認できるもの(代理人が請求する場合)
  • 法定代理人と請求者本人との続柄が記載された証明書(戸籍謄本、住民票、登記事項証明書等)
  • 請求者本人の署名押印のある委任状(任意代理人である場合)
  • 委任状に押印されたご本人の印鑑登録証明書(原本)(任意代理人である場合)

レセプト開示請求の手数料

1件につき300円が必要となります。

初診日が特定できない時の第三者の証言は有効か?

最近では、初診日が特定できない時に第三者の証言があれば初診日が特定できる。そういう話を聞いたという人を見かけます。

しかしこれには一つ条件がありした。それは二十歳前障害による障害基礎年金に限ってのことだったのです。

しかし、平成27年に厚生労働省年金局事業管理課長の通知により初診日を証明する書類が添付できない場合であっても、初診日を合理的に推定できるような一定の書類があれば、本人が申し立てた日を初診日と認めることができるようになりました。

これはとても画期的なことであると同時に障害年金を申請したくても初診日が特定できずに却下されたケースにも希望が持てる変更となりました。

いままでに初診日が特定できず却下された人は再申請をしてみてはいかがでしょうか。

第三者証明は誰が何を書くのか

そこで一番の問題となる第三者証明に具体的には誰が何をかけばよいのでしょうか?

それも予め定められております。

まず第三者証明として証明できる第三者についてですが、

  • 民生委員
  • 病院長
  • 施設長
  • 事業主
  • 隣人等
  • 請求者、生計維持対象者および生計同一認定対象者の三親等の親族は含まない

とあります。

隣人などとあるため限定的なものではなく、その他三親等の親族以外で社会的信頼のある人なら第三者として認められる可能性は高いと思われます。

また、具体的に何をかけば良いのかについては

  1. 申し立て人について
    氏名、現住所、連絡先、請求者との関係(初診年月日前後から現在まで)
  2. 初診年月日等について
    傷病名、初診年月日、医療機関名、医療機関所在地・担当診療科名
  3. 初診年月日頃を含む請求者の状況
    発病から初診年月日までにどのような症状があったのか、日常生活に支障があればどのような状態であったのか(その状況を知った経緯も含めて)。また、初診年月日にどのような症状があったのか、日常生活に支障があればどのような状態であったのか(その状況を知った経緯を含めて)

ということが定められています。

様式がありますので、それに従い記入すればよいです。

しかし、初診年月日等について傷病名や初診年月日医療機関名を知っている第三者というのは条件としてかなり厳しい物があるのではないかとも言われています。

障害年金問い合わせ

少し長くなりますが、「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることが出来上に場合の取り扱いについて」を全文引用して締めたいと思います。

年管管発0928第6号(平成27年9月28日)

第1 第三者証明による初診日確認の取扱いについて

1.20歳以降に初診日がある場合の第三者証明の取扱いについて

(1)20歳以降に初診日がある場合の第三者証明の基本的取扱いについて

① 第三者証明と参考となる他の資料による初診日の確認について 20歳以降に初診日がある障害年金の請求に当たり、初診日に受診し た医療機関による初診日の証明(以下「医証」という。)が得られない場 合においては、第三者証明(医療機関で診療を受けていたことについて 第三者が申し立てることにより証明したもの。以下同じ。)を初診日を合理的に推定するための参考資料とすることとする。 この場合において、20歳以降の初診日については、初診日がどの年金制度に加入していた時期かによって給付内容が大きく異なることも踏まえ、適切に初診日を特定する必要があることから、第三者証明とともに、初診日について参考となる他の資料の提出を求め、両資料の整合性等を確認の上、障害年金を請求する者(以下「請求者」という。)が申し立てた初診日を初診日として認めることができることとする。

 

② 第三者証明に該当する申立てについて 第三者証明は、基本的に次のアからウのいずれかに該当するものであ ること。

ア 第三者証明を行う者が、請求者の初診日頃の受診状況を直接的に見て認識していた場合に、その受診状況を申し立てるもの

イ 第三者証明を行う者が、請求者や請求者の家族等から、請求者の初診日頃に、請求者の初診日頃の受診状況を聞いていた場合に、その聞いていた受診状況を申し立てるもの

ウ 第三者証明を行う者が、請求者や請求者の家族等から、請求時から概ね5年以上前に、請求者の初診日頃の受診状況を聞いていた場合に、その聞いていた受診状況を申し立てるもの

③ 参考となる他の資料について ①の参考となる他の資料としては、診察券や入院記録などの初診日について客観性が認められる資料が必要であり、医療機関が作成した資料であっても、請求者の申立てによる初診日等を記載した資料は不適当で あること。

(2)第三者証明の留意点について

① 第三者証明を行う者について 「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて(厚生年金保 険法)」(平成23年3月23日付け年発0323第1号)の別表1で定 める第三者証明の第三者の範囲を踏まえ、請求者の民法上の三親等以内の親族による第三者証明は、認めないこととする。

② 医療従事者による第三者証明による初診日の確認について初診日頃に請求者が受診した医療機関の担当医師、看護師その他の医療従事者(以下単に「医療従事者」という。)による第三者証明(初診の医療機関が廃院等により医療機関による医証が得られない場合など)に ついては、初診日頃の請求者による医療機関の受診状況を直接的に見て認識していることから、医証と同等の資料として、請求者申立ての初診日について参考となる他の資料がなくとも、当該第三者証明のみで初診日を認めることができることとする。 なお、医療従事者による第三者証明であっても、初診日頃の請求者に よる医療機関の受診状況を直接把握できない立場であった医療従事者が、請求者の求めに応じ、請求者の申立てに基づいて行った第三者証明は、これには該当しない

③ 必要となる第三者証明の数について 上記②の場合を除き、原則として複数の第三者証明があることが、第三者証明を初診日推定の参考資料とするために必要である。 ただし、請求者が複数の第三者証明を得られない場合には、単数の第三者証明であっても、医療機関の受診にいたる経過や医療機関におけるやりとりなどが具体的に示されていて、相当程度信憑性が高いと認められるものであれば、第三者証明として認めることができることとする。

④ 請求時から概ね5年以内の第三者証明の取扱いについて(1(1)② ウ関係) 1(1)②ウの場合において、第三者が請求者等から初診日頃の受診状況を聞いていた時期が、請求時から概ね5年以内である第三者証明については、認められない。 ただし、請求者申立ての初診日について参考となる他の資料があわせて提出された場合であって、他の様々な資料から請求者申立てによる初診日が正しいと合理的に推定できる場合には、第三者証明として認めることができることとする。

⑤ 一番古い時期の受診状況等に係る第三者証明の取扱いについて請求者の初診日頃の受診状況等が不明である場合に、第三者が証明することができる一番古い時期の受診状況等について第三者証明があった場合には、当該資料により申請者が申し立てた初診日を認めることはできないが、初診日を総合的に判断する際の資料として取り扱うことができることとする。

⑥ 第三者証明の信憑性の確認について第三者証明により初診日を確認する場合には、上記の資料のほか、可能な範囲で、請求者申立ての初診日について参考となる資料の提出を幅広く求め、それらの資料との整合性や医学的判断等により、第三者証明の信憑性を確認することとする。 また、第三者証明の内容に疑義が生じる場合や第三者が実在するかどうかについて疑義が生じる場合は、必要に応じて第三者に対して電話等で確認を行うこととする。

(3)第三者証明の確認項目について第三者証明により請求者が申し立てた初診日を適正に判断する観点から、 第三者証明については、少なくとも以下の項目を確認することとする。 ただし、一部の確認項目に記載がない場合でも、第三者証明の信憑性を総合的に判断することとする。

第三者に関する項目第三者の氏名、住所、電話番号、請求者との関係(初診日頃の関係又は受診状況を聞いた頃の関係)

② 請求者の初診日頃における医療機関の受診状況に関する項目傷病名、初診の時期、医療機関名・所在地・診療科

③ 第三者から見た請求者の状況等に関する項目例えば、次のような事項についてできるだけ詳しく記載を求めるものとする。

発病から初診日までの症状の経過

初診日頃における日常生活上の支障度合い

医療機関の受診契機

医師からの療養の指示など受診時の状況

初診日頃の受診状況を知り得た状況など

2.20歳前に初診日がある場合の第三者証明の取扱いについて

(1)20歳前に初診日がある場合の第三者証明の基本的取扱いについて

① 第三者証明による初診日の確認について20歳前に初診日がある障害基礎年金の請求に当たり、初診日の医証が得られない場合においては、請求者が20歳前に発病し、医療機関で 診療を受けていたことを明らかにする第三者証明により、請求者申立て の初診日を認めることができることとする。 20歳前に初診日がある障害基礎年金については、給付内容が単一で あり、請求者が少なくとも20歳より前に、医療機関で請求傷病での診 療を受けていたことが明らかであると確認できればよいことから、初診日を証明する書類が第三者証明のみの場合であっても、第三者証明の内 容を総合的に勘案して、請求者申立ての初診日を認めることができるこ ととする。

② 第三者証明は、基本的に次のアからウのいずれかに該当するものであること。

ア 第三者証明を行う者が、請求者の初診日頃又は20歳前の時期の受診状況を直接的に見て認識していた場合に、その受診状況を申し立て るもの

イ 第三者証明を行う者が、請求者や請求者の家族等から、請求者の初 診日頃又は20歳前の時期に、請求者の初診日頃又は20歳前の時期 の受診状況を聞いていた場合に、その聞いていた受診状況を申し立てるもの

ウ 第三者証明を行う者が、請求者や請求者の家族等から、請求時から概ね5年以上前に、請求者の初診日頃又は20歳前の時期の受診状況を聞いていた場合に、その聞いていた受診状況を申し立てるもの

③ 20歳前に厚生年金等に加入していた者の取扱いについて20歳前に初診日がある場合であって、当該初診日が厚生年金等に加入していた期間である場合の第三者証明の取扱いは、障害厚生年金等の支給の対象となることから、第1の1によることとする。

(2)第三者証明の留意点について 第1の1の(2)と同様とする。

(3)第三者証明の確認項目について第三者証明により請求者が申し立てた初診日を適正に判断する観点から、 第三者証明については、少なくとも以下の項目を確認することとする。 ただし、一部の確認項目に記載がない場合でも、第三者証明の信憑性を総合的に判断することとする。

① 第三者に関する項目第三者の氏名、住所、電話番号、請求者との関係(初診日頃又は20歳前の時期の受診していた頃もしくは受診状況を聞いた頃の関係)

② 請求者の初診日頃又は20歳前の時期における医療機関の受診状況に関する項目傷病名、初診の時期(初診の時期が不明であれば20歳前の受診の時期)、医療機関名・所在地・診療科

③ 第三者から見た請求者の状況等に関する項目例えば、次のような事項についてできるだけ詳しく記載を求めるものとする。

・ 発病から初診日又は20歳前の受診時までの症状の経過

・ 初診日頃又は20歳前における日常生活上の支障度合い

・ 医療機関の受診契機 ・ 医師からの療養の指示など受診時の状況

・ 初診日頃又は20歳前の受診状況を知り得た状況 など

第2 初診日が一定の期間内にあると確認された場合の初診日確認の取扱いにつ いて

1.初診日が一定の期間内にあると確認された場合の初診日確認の基本的取扱いについて 初診日を具体的に特定できなくても、参考資料により一定の期間内に初診日があると確認された場合であって、下記3又は4に該当するときは、一定 の条件の下、請求者が申し立てた初診日を認めることができることとする。

2.初診日が一定の期間であると確認するための参考資料について初診日が一定の期間内であると確認するためには請求者が提出する参考資料により判断することとなるが、参考資料の例としては、以下のようなものが考えられる。

(1)一定の期間の始期に関する資料の例

・ 請求傷病に関する異常所見がなく発病していないことが確認できる診断書等の資料(就職時に事業主に提出した診断書、人間ドックの結果など)

・ 請求傷病の起因及び当該起因の発生時期が明らかとなる資料(交通事故が起因となった傷病であることを明らかにする医学的資料及び交通事 故の時期を証明する資料、職場の人間関係が起因となった精神疾患であることを明らかにする医学的資料及び就職の時期を証明する資料など)

・ 医学的知見に基づいて一定の時期以前には請求傷病が発病していないことを証明する資料

(2)一定の期間の終期に関する資料の例

・ 請求傷病により受診した事実を証明する資料(2番目以降に受診した医療機関による受診状況等証明書など)

・ 請求傷病により公的サービスを受給した時期を明らかにする資料(障害者手帳の交付時期に関する資料など)

・ 20歳以降であって請求傷病により受診していた事実及び時期を明らかにする第三者証明

3.初診日があると確認された一定の期間中、同一の公的年金制度に継続的に加入していた場合について初診日があると確認された一定の期間が全て国民年金の加入期間のみであるなど同一の公的年金制度の加入期間となっており、かつ、当該期間中のいずれの時点においても、障害年金を支給するための保険料納付要件を満たしている場合は、当該期間中で請求者が申し立てた初診日を認めることができることとする。 なお、当該期間中の全ての期間が、20歳前の期間(厚生年金等の加入期 間である場合を除く。以下同じ。)のみである場合又は60歳から65歳の待機期間(厚生年金等の加入期間である場合を除く。以下同じ。)のみである場合については、同一の公的年金制度の加入期間となっているものと取り扱うこととする。その際、20歳前の期間については、保険料納付要件を考慮し ないものとする(4において同じ)。

4.初診日があると確認された一定の期間中、異なる公的年金制度に継続的に加入していた場合について初診日があると確認された一定の期間が全て国民年金の加入期間と厚生年金の加入期間であるなど異なる公的年金制度の加入期間となっており、かつ、 当該期間中のいずれの時点においても、障害年金を支給するための保険料納付要件を満たしている場合は、請求者申立ての初診日について参考となる他の資料とあわせて初診日を認めることができることとする。 ただし、請求者申立ての初診日が、国民年金の加入期間、20歳前の期間 又は60歳から65歳の待機期間である場合には、いずれの場合においても、 障害厚生年金等ではなく障害基礎年金を請求するものであることから、初診日があると確認された一定の期間に厚生年金等の加入期間が含まれていたと しても、第2の3と同様に、請求者申立ての初診日について参考となる他の資料がなくとも請求者が申し立てた初診日を認めることができることとする。

第3 その他の初診日の取扱いについて

1.請求者の申立てに基づき医療機関が過去に作成した資料の取扱いについて請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録等)に請求者申立ての初診日が記載されている場合には、初診日と認めることができることとする。 また、当該資料が、請求の5年以上前ではないが相当程度前である場合については、請求者申立ての初診日について参考となる他の資料とあわせて初診日を認めることができることとする。 ただし、この場合に参考となる他の資料としては、診察券や入院記録など、 請求者の申立て以外の記録を根拠として初診日を推定することが可能となる 資料が必要であり、請求者又は請求者の家族等の申立てに基づく第三者証明は含まれないものとする。

2.診察券等における初診日確認の取扱いについて診察券や医療機関が管理する入院記録等により確認された初診日及び受診した診療科については、請求傷病での受診である可能性が高いと判断できる診療科(精神科など)である場合には、それらの参考資料により初診日を認めることができる。 また、診察券や入院記録等だけでは請求傷病での受診である可能性が高いと判断できない診療科(内科など)の場合であっても、診察券や入院記録等で初診日及び受診した診療科が確認できたときは、請求者申立ての初診日について参考となる他の資料とあわせて初診日を認めることができる。 ただし、他の傷病による受診であると明らかに推認できる場合は認めないこととする。

3.健診日の取扱いについて初診日は、原則として初めて治療目的で医療機関を受診した日とし、健康診断を受けた日(健診日)は初診日として取り扱わないこととする。 ただし、初めて治療目的で医療機関を受診した日の医証が得られない場合であって、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、請求者から健診日を初診日とするよう申立てがあれば、健診日を初診日とし、健診日を証明する資料(人間ドックの結果など)を求めた上で、初診日を認めることができることとする。

4.日付が特定されない初診日の取扱いについて資料により初診日のある年月までは特定できるが日付が特定されない場合には、保険料の納付要件を認定する時点や遺族年金における死亡日の取扱い 等を踏まえ、当該月の末日を初診日とする。 ただし、当該月に異なる年金制度(国民年金と厚生年金など)に加入して いた場合については、当該月の月末を初診日とはしない。

5.初診日を確認する際の留意事項について 第1から第3の各項目に限らず、初診日の確認に当たっては、初診日の医証がない場合であっても、2番目以降の受診医療機関の医証などの提出された様々な資料や、傷病の性質に関する医学的判断等を総合的に勘案して、請求者申立てによる初診日が正しいと合理的に推定できる場合は、請求者申立ての初診日を認めることができることとする。 また、初診日に関する複数の資料が提出された場合には、他の資料との整合性等や医学的判断に基づいて、請求者申立ての初診日を確認するものとす る。